ぬる速ヘッドライン
川 ゚ -゚) クーは異境の地で暮らすようです
川 ゚ -゚) クーは異境の地で暮らすようですpart2
川 ゚ -゚) クーは異境の地で暮らすようですpart3
川 ゚ -゚) クーは異境の地で暮らすようですpart4
171 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:23:33.96 ID:yHTahav10
おや?どこかで聞いた言葉。
シャトリナさんは誇らしげに胸を張った。
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「あたしだって保証くらいできるわよ〜
トソンちゃんだけにいい格好させてたまるもんですか」
川 ゚ -゚)「……盗み聞きはちょっと行儀が悪いと思います」
//ヽヽ
彡;゚ー゚)「何の話かしら?」
オーナーは私から目をそらした。
川 ゚ -゚)「それでは、失礼します。明日からもよろしくお願いします」
//ヽヽ
彡;゚ー゚)「そうね、また明日〜」
うろたえるシャトリナさんに軽く会釈し、私はドクオの家に向かった。
173 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:25:07.65 ID:yHTahav10
※
ドクオの住むマンションに到着した。
たかが一週間でこんなにも懐かしい。
ふと、ドクオの叫び声が聞こえた。
窓を開けっぱなしで叫んでるのか?
まったく仕方のない奴だな。
('A`)「あああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
盗み聞きというのも行儀が悪いが、
窓を全開にして叫んでる方が悪いな。
うん、そういうことにしよう。
立ち止まって耳を澄ますことにした。
('A`)「やせ我慢なんかしてないで食っちまえばよかったあああああああああああああ」
一拍置いてまた叫ぶ。
('A`)「いや違う。せっかく紳士で通したんだからこれからフラグ立てればいいんだよ」
ドクオは叫ぶのをやめない。
174 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:26:23.41 ID:/p+n9+vPO
ドックン支援w
175 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:26:29.92 ID:gDN8k1rPO
>>173
ちょwww
177 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:27:02.92 ID:3nZRh5iA0
おーいwwwwww
178 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:27:09.13 ID:yHTahav10
('A`)「しっかしどうやってフラグ立てるんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
川 ゚ -゚)「……」
なるほど、食べるってそういうことか。
これは脈ありって考えてもいいのか?
私は覚悟を決めてインターホンを鳴らす。
('A`)「はい」
川 ゚ -゚)「一週間ぶりだな。入ってもいいか?」
ドアが開いた。
ドクオがTシャツと短パン姿で私を出迎えた。
でも首にタオルを巻くのはどうかと思う。
川 ゚ -゚)「すまないな、突然来てしまって。今日何か予定は?」
ドクオはソファーに座り、煙草に火をつけた。
相変わらず気を遣って、煙が私に当たらないように上を向いて吐き出す。
180 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:28:29.76 ID:/p+n9+vPO
クーw
182 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:29:35.06 ID:yHTahav10
('A`)「ん?特にないよ。しいて言えばあとで食い物でも買いにいこうかな?って程度」
川 ゚ -゚)「買い物か、あとで付き合おう。ならしばらく構わないな?」
とりあえずドクオの隣に腰掛けてみた。
(*'A`)「……」
近くにいるせいか、ドクオは煙を吐くのにわざわざ横を向く。
川 ゚ -゚)「……」
せっかく近くに座ったのに、ドクオは目を合わせようとしない。
それにしてもずいぶん美味そうに吸うものだ。
ちょっと煙草の味というものが気になった。
とりあえず煙草とライターを奪ってみる。
183 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:29:42.23 ID:gDN8k1rPO
フラグバッキバキかと思ったw
187 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:31:24.43 ID:yHTahav10
川 ゚ -゚)「ドクオは本当に煙草が好きだな。そんなに美味しいものなのか?」
煙草を1本取り出し、火をつけてみた。
たしか煙を肺にいれるんだったよな?
川;゚ -゚)「……」
けむい。
煙そのものじゃないか。
私はつい咳き込んでしまった。
('A`)「慣れないうちは多少キツいかもしれんね、こいつは」
ドクオは無表情に煙草とライターを取り返す。
怒らせてしまったか?
たしかに人のものを奪っておいてこれはあんまりだな。
川;゚ -゚)「うむ、確かにキツいな。もったいないからこれを吸ってくれ」
まずい、涙がにじんできた。
吸いかけで悪いがこれは返そう。
190 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:33:14.11 ID:yHTahav10
(*'A`)「……」
表情から察するに怒ってはいないようだが、
ドクオは何故か煙草を受け取ろうとしない。
やはり人が口をつけたものは失礼か。
私はどうやらデリカシーに欠ける人間のようだからな……
川 ゚ -゚)「すまない。私が口をつけたやつなんて失礼だよな」
(*'A`)「いやむしろ喜んで」
ドクオは煙草を受け取り、うまそうに吸った。
……今、何て言った?
川 ゚ -゚)「喜んで???」
(;'A`)「あ」
川 ゚ ー゚)「本当にドクオは面白いな」
(;'A`)「……さいですか」
196 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:34:55.76 ID:yHTahav10
川 ゚ -゚)「そうそう、一つドクオに忠告しなければならない事がある」
('A`)「?」
川 ゚ ー゚)「窓を開けっぱなしのまま部屋で叫ぶのはやめた方がいい」
(;'A`)「え」
お蔭様で勇気付けられたのは秘密にしておこう。
ドクオはうなだれているが。
川 ゚ -゚)「まあやせ我慢というか何か美学みたいなものはわからんでもないがな。
しかし、私に無理はするな遠慮もするなと説教したのは誰だったかな?」
(;'A`)「はい、俺です」
川 ゚ ー゚)「だろ?だから私もやせ我慢なんかやめて、素直に食われに来たんだ」
私は身を乗り出し、ドクオに近づいた。
さあ、勝負。
川 ゚ -゚)「仕事どころか住む所まで探してくれて、本当に感謝している。
その苦労を無にして申し訳ないが、私はドクオと一緒にいたいんだ」
(*'A`)「……」
198 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:35:44.40 ID:+aaGmSXu0
にやけてますが何か
202 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:36:38.23 ID:yHTahav10
ドクオの視線が泳いでいる。
あれ、困らせてしまったのか?
私はもう一度彼を見つめた。
川 ゚ -゚)「もちろん無理は言えないが……」
(*'A`)「……」
ドクオは頬を赤らめたまま、こちらを向いた。
壊れ物を扱うように、ドクオはそっと私を抱きしめた。
すごく優しくて、ちょっとだけ臆病なドクオの気持ちが体に伝わってくる。
ドクオは頬に軽くキスし、耳元でこう囁いた。
(*'A`)「いや、むしろ喜んで」
来てよかった。
私は力強くしがみついた。
ドクオの鼓動が伝わる。
私とドクオ、どっちの鼓動が早いんだろう?
川 ゚ ー゚)「つかまえた。もう離さないから覚悟するんだな」
203 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:37:34.95 ID:bINKg2Xd0
にやにやしてる俺きめえwwwww
204 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:37:54.54 ID:/p+n9+vPO
wktk×100
206 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:38:23.99 ID:yHTahav10
※
幸せな月日というものは、やはり早く過ぎてしまうようだ。
ドクオと暮らすようになってしばらく経ったが、
とりたてて何があった、と特筆すべきことが少ない。
日記をつける習慣がなくて良かった。
めくってもめくっても「今日も幸せだった」などと書いてある日記は
正直気持ちが悪いと思う。
でも、たぶん私もそう書かざるを得ない。
最近よくトソンに「綺麗になったわね」と言われる。
ドクオに抱かれるようになった私をからかっているようだ。
だが、綺麗になったかどうかなんて自分ではわからない。
わかるのは、毎日少しづつ胸の内のしこりがほぐれて来てること。
わからないのはトソンの方だ。
人をからかってる暇があったら自分もどうにかすればいいのに。
彼女に人気があるのは、その辺に疎い私でもさすがにわかる。
よほど理想が高いのか?
そんな油断をしてたら、大変なことになった。
210 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:40:10.07 ID:yHTahav10
夕方、店が混む時間の直前を見計らって
スタッフルームで休憩をしていると、
トソンが血相を変えて飛び込んできた。
(゚、゚;トソン「オーナー、大変です」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「なあに?そんなにあわてて」
(゚、゚;トソン「ペルしぃさんが交通事故にあったそうです。
命に別状はないそうですが、緊急入院とのことで」
//ヽヽ
彡;゚ー゚)「え゙」
川;゚ -゚)「それはまずいな」
歌手のペルしぃさんは週に三回ほど、うちの店で歌ってくれている。
彼女目当てでうちに予約を入れてくれるお客様も多い。
(゚、゚;トソン「どどどどうしましょう」
//ヽヽ
彡;゚ー゚)「どどどどうしましょうって……」
今からお客様にキャンセルの旨を伝えても、もう間にあわない。
しかし何か別の出し物なんて間にあわない。
218 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:42:06.12 ID:yHTahav10
//ヽヽ
彡;゚ー゚)「もうあたしが踊るしかないわね」
川 ゚ -゚)(゚、゚トソン「は?」
//ヽヽ
彡#゚ー゚)「失礼な子たちね。あたしは元々ダンサーよ?
ネーノだってダンサー時代に捕まえたんだから」
そういえばこの前スオミーさんから聞いたような気がする。
シャトリナさんは以前、フランス帰りのネーノさんを
色仕掛けで無理やり口説き落としたそうだ。
それがこの店の始まりだとか……
籍は入れてないようだが、まあそういう関係らしい。
確かに彼の腕なら引く手あまただろうし、納得の行く話ではある。
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「昔取った杵柄って奴ね」
(゚、゚トソン「昔ってどのくらいですか?」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「もう8年は踊ってないわね」
川 ゚ -゚)(゚、゚トソン「……」
//ヽヽ
彡#゚ー゚)「……何よ。じゃあ見せてあげるわよ。
服とシューズ取って来るから待ってなさい」
シャトリナさんは階段へ向かい、2階の自室に駆け登っていった。
221 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:44:23.29 ID:yHTahav10
……はずだった。
階段を何かが転げ落ちる音がした。
川 ゚ -゚)(゚、゚トソン「???」
二人で見に行くと、シャトリナさんが呻いていた。
//ヽヽ
彡 ;ー;)「痛〜い、足ひねっちゃった〜」
川;゚ -゚)「大丈夫ですか?」
(゚、゚トソン「……それよりどうしましょうね」
確かに。
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「もうこうなったら最後の手段ね。
トソンちゃん、私の部屋から青いドレス持って来て」
オーナーはトソンに鍵を渡した。
そして私の肩を借りてスタッフルームに戻る。
227 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:46:04.55 ID:yHTahav10
(゚、゚トソン「これですか?」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「そうそう。クーちゃん、これ着てちょうだい」
川 ゚ -゚)「は?」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「いいからさっさと着て」
往年の絶世の美女、その貫禄に負けた私はドレスを身にまとった。
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「やっぱり似合うわね〜」
川 ゚ -゚)「ありがとうございます。それよりこれを着てどうしろと?」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「歌うのよ」
川;゚ -゚)「はあ?」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「いいから歌いなさい。トソンちゃんは渋沢さんに伝えて」
(゚、゚トソン「わかりました」
川;゚ -゚)「……本気ですか」
232 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:47:41.28 ID:yHTahav10
ピアニストの渋沢さんは快く了承したそうだ。
……何故だ。
私は流されるままに渋沢さんと軽く打ち合わせをし、
ステージに上がらされた。
もうどうなっても知らん。
川 ゚ -゚)「♪ホラ 抱き合える喜びは過ぎ去りし
I never look back again
胸の中 腕の中 悲しみは 君と melt away♪」
無我夢中で歌った。
とりあえず今日さえしのげばどうにかなる。
ここで晒し者になるのも恩返しと思えば、耐えられない事でもない。
とりあえず数曲歌って、観客に深々と礼をした。
何故か盛大な拍手をもらえた。
素人の懸命さが評価されたのだろうか?
とりあえず窮地が切り抜けられたので、まあ良しとしよう。
237 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:49:07.43 ID:yHTahav10
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「クーちゃんやっぱりすごいじゃないの〜」
スタッフルーム脇の更衣室に戻って着替えていると、
シャトリナさんが元気そうに歩いてきた。
……喰えない人だ。
川 ゚ -゚)「まあ今日は何とか無事に切り抜けられましたが」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「明後日からもお願いね」
川;゚ -゚)「はあ?」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「渋沢さんもクーちゃんの歌が気に入ったそうよ」
川 ゚ -゚)「……」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「もうクーちゃんは歌手に専念してもらうわ。
シフトの空きはあたし持ちでレッスン受けてね」
川 ゚ -゚)「はあ……」
238 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 22:51:14.08 ID:yHTahav10
何だかよくわからないままに歌手にさせられてしまった。
まあボイストレーニングだの何だのを無料で受けられて
さらにその時間も給料が出るとなれば、いい話なのだろう。
……その道を目指す人からすれば。
別に歌が嫌いなわけではないが、
歌手になりたかった訳でもない。
ただ、本気で目指してる人間に失礼な気もする。
そう言えば、もう一つ特筆すべきことがあった。
こうやってドクオと暮らしているうちに、
いつの間にかコーヒーが飲めるようになっていた。
続く 川 ゚ -゚) クーは異境の地で暮らすようですpart6
川 ゚ -゚) クーは異境の地で暮らすようですpart2
川 ゚ -゚) クーは異境の地で暮らすようですpart3
川 ゚ -゚) クーは異境の地で暮らすようですpart4
おや?どこかで聞いた言葉。
シャトリナさんは誇らしげに胸を張った。
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「あたしだって保証くらいできるわよ〜
トソンちゃんだけにいい格好させてたまるもんですか」
川 ゚ -゚)「……盗み聞きはちょっと行儀が悪いと思います」
//ヽヽ
彡;゚ー゚)「何の話かしら?」
オーナーは私から目をそらした。
川 ゚ -゚)「それでは、失礼します。明日からもよろしくお願いします」
//ヽヽ
彡;゚ー゚)「そうね、また明日〜」
うろたえるシャトリナさんに軽く会釈し、私はドクオの家に向かった。
※
ドクオの住むマンションに到着した。
たかが一週間でこんなにも懐かしい。
ふと、ドクオの叫び声が聞こえた。
窓を開けっぱなしで叫んでるのか?
まったく仕方のない奴だな。
('A`)「あああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
盗み聞きというのも行儀が悪いが、
窓を全開にして叫んでる方が悪いな。
うん、そういうことにしよう。
立ち止まって耳を澄ますことにした。
('A`)「やせ我慢なんかしてないで食っちまえばよかったあああああああああああああ」
一拍置いてまた叫ぶ。
('A`)「いや違う。せっかく紳士で通したんだからこれからフラグ立てればいいんだよ」
ドクオは叫ぶのをやめない。
ドックン支援w
>>173
ちょwww
おーいwwwwww
('A`)「しっかしどうやってフラグ立てるんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
川 ゚ -゚)「……」
なるほど、食べるってそういうことか。
これは脈ありって考えてもいいのか?
私は覚悟を決めてインターホンを鳴らす。
('A`)「はい」
川 ゚ -゚)「一週間ぶりだな。入ってもいいか?」
ドアが開いた。
ドクオがTシャツと短パン姿で私を出迎えた。
でも首にタオルを巻くのはどうかと思う。
川 ゚ -゚)「すまないな、突然来てしまって。今日何か予定は?」
ドクオはソファーに座り、煙草に火をつけた。
相変わらず気を遣って、煙が私に当たらないように上を向いて吐き出す。
クーw
('A`)「ん?特にないよ。しいて言えばあとで食い物でも買いにいこうかな?って程度」
川 ゚ -゚)「買い物か、あとで付き合おう。ならしばらく構わないな?」
とりあえずドクオの隣に腰掛けてみた。
(*'A`)「……」
近くにいるせいか、ドクオは煙を吐くのにわざわざ横を向く。
川 ゚ -゚)「……」
せっかく近くに座ったのに、ドクオは目を合わせようとしない。
それにしてもずいぶん美味そうに吸うものだ。
ちょっと煙草の味というものが気になった。
とりあえず煙草とライターを奪ってみる。
フラグバッキバキかと思ったw
川 ゚ -゚)「ドクオは本当に煙草が好きだな。そんなに美味しいものなのか?」
煙草を1本取り出し、火をつけてみた。
たしか煙を肺にいれるんだったよな?
川;゚ -゚)「……」
けむい。
煙そのものじゃないか。
私はつい咳き込んでしまった。
('A`)「慣れないうちは多少キツいかもしれんね、こいつは」
ドクオは無表情に煙草とライターを取り返す。
怒らせてしまったか?
たしかに人のものを奪っておいてこれはあんまりだな。
川;゚ -゚)「うむ、確かにキツいな。もったいないからこれを吸ってくれ」
まずい、涙がにじんできた。
吸いかけで悪いがこれは返そう。
(*'A`)「……」
表情から察するに怒ってはいないようだが、
ドクオは何故か煙草を受け取ろうとしない。
やはり人が口をつけたものは失礼か。
私はどうやらデリカシーに欠ける人間のようだからな……
川 ゚ -゚)「すまない。私が口をつけたやつなんて失礼だよな」
(*'A`)「いやむしろ喜んで」
ドクオは煙草を受け取り、うまそうに吸った。
……今、何て言った?
川 ゚ -゚)「喜んで???」
(;'A`)「あ」
川 ゚ ー゚)「本当にドクオは面白いな」
(;'A`)「……さいですか」
川 ゚ -゚)「そうそう、一つドクオに忠告しなければならない事がある」
('A`)「?」
川 ゚ ー゚)「窓を開けっぱなしのまま部屋で叫ぶのはやめた方がいい」
(;'A`)「え」
お蔭様で勇気付けられたのは秘密にしておこう。
ドクオはうなだれているが。
川 ゚ -゚)「まあやせ我慢というか何か美学みたいなものはわからんでもないがな。
しかし、私に無理はするな遠慮もするなと説教したのは誰だったかな?」
(;'A`)「はい、俺です」
川 ゚ ー゚)「だろ?だから私もやせ我慢なんかやめて、素直に食われに来たんだ」
私は身を乗り出し、ドクオに近づいた。
さあ、勝負。
川 ゚ -゚)「仕事どころか住む所まで探してくれて、本当に感謝している。
その苦労を無にして申し訳ないが、私はドクオと一緒にいたいんだ」
(*'A`)「……」
にやけてますが何か
ドクオの視線が泳いでいる。
あれ、困らせてしまったのか?
私はもう一度彼を見つめた。
川 ゚ -゚)「もちろん無理は言えないが……」
(*'A`)「……」
ドクオは頬を赤らめたまま、こちらを向いた。
壊れ物を扱うように、ドクオはそっと私を抱きしめた。
すごく優しくて、ちょっとだけ臆病なドクオの気持ちが体に伝わってくる。
ドクオは頬に軽くキスし、耳元でこう囁いた。
(*'A`)「いや、むしろ喜んで」
来てよかった。
私は力強くしがみついた。
ドクオの鼓動が伝わる。
私とドクオ、どっちの鼓動が早いんだろう?
川 ゚ ー゚)「つかまえた。もう離さないから覚悟するんだな」
にやにやしてる俺きめえwwwww
wktk×100
※
幸せな月日というものは、やはり早く過ぎてしまうようだ。
ドクオと暮らすようになってしばらく経ったが、
とりたてて何があった、と特筆すべきことが少ない。
日記をつける習慣がなくて良かった。
めくってもめくっても「今日も幸せだった」などと書いてある日記は
正直気持ちが悪いと思う。
でも、たぶん私もそう書かざるを得ない。
最近よくトソンに「綺麗になったわね」と言われる。
ドクオに抱かれるようになった私をからかっているようだ。
だが、綺麗になったかどうかなんて自分ではわからない。
わかるのは、毎日少しづつ胸の内のしこりがほぐれて来てること。
わからないのはトソンの方だ。
人をからかってる暇があったら自分もどうにかすればいいのに。
彼女に人気があるのは、その辺に疎い私でもさすがにわかる。
よほど理想が高いのか?
そんな油断をしてたら、大変なことになった。
夕方、店が混む時間の直前を見計らって
スタッフルームで休憩をしていると、
トソンが血相を変えて飛び込んできた。
(゚、゚;トソン「オーナー、大変です」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「なあに?そんなにあわてて」
(゚、゚;トソン「ペルしぃさんが交通事故にあったそうです。
命に別状はないそうですが、緊急入院とのことで」
//ヽヽ
彡;゚ー゚)「え゙」
川;゚ -゚)「それはまずいな」
歌手のペルしぃさんは週に三回ほど、うちの店で歌ってくれている。
彼女目当てでうちに予約を入れてくれるお客様も多い。
(゚、゚;トソン「どどどどうしましょう」
//ヽヽ
彡;゚ー゚)「どどどどうしましょうって……」
今からお客様にキャンセルの旨を伝えても、もう間にあわない。
しかし何か別の出し物なんて間にあわない。
//ヽヽ
彡;゚ー゚)「もうあたしが踊るしかないわね」
川 ゚ -゚)(゚、゚トソン「は?」
//ヽヽ
彡#゚ー゚)「失礼な子たちね。あたしは元々ダンサーよ?
ネーノだってダンサー時代に捕まえたんだから」
そういえばこの前スオミーさんから聞いたような気がする。
シャトリナさんは以前、フランス帰りのネーノさんを
色仕掛けで無理やり口説き落としたそうだ。
それがこの店の始まりだとか……
籍は入れてないようだが、まあそういう関係らしい。
確かに彼の腕なら引く手あまただろうし、納得の行く話ではある。
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「昔取った杵柄って奴ね」
(゚、゚トソン「昔ってどのくらいですか?」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「もう8年は踊ってないわね」
川 ゚ -゚)(゚、゚トソン「……」
//ヽヽ
彡#゚ー゚)「……何よ。じゃあ見せてあげるわよ。
服とシューズ取って来るから待ってなさい」
シャトリナさんは階段へ向かい、2階の自室に駆け登っていった。
……はずだった。
階段を何かが転げ落ちる音がした。
川 ゚ -゚)(゚、゚トソン「???」
二人で見に行くと、シャトリナさんが呻いていた。
//ヽヽ
彡 ;ー;)「痛〜い、足ひねっちゃった〜」
川;゚ -゚)「大丈夫ですか?」
(゚、゚トソン「……それよりどうしましょうね」
確かに。
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「もうこうなったら最後の手段ね。
トソンちゃん、私の部屋から青いドレス持って来て」
オーナーはトソンに鍵を渡した。
そして私の肩を借りてスタッフルームに戻る。
(゚、゚トソン「これですか?」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「そうそう。クーちゃん、これ着てちょうだい」
川 ゚ -゚)「は?」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「いいからさっさと着て」
往年の絶世の美女、その貫禄に負けた私はドレスを身にまとった。
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「やっぱり似合うわね〜」
川 ゚ -゚)「ありがとうございます。それよりこれを着てどうしろと?」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「歌うのよ」
川;゚ -゚)「はあ?」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「いいから歌いなさい。トソンちゃんは渋沢さんに伝えて」
(゚、゚トソン「わかりました」
川;゚ -゚)「……本気ですか」
ピアニストの渋沢さんは快く了承したそうだ。
……何故だ。
私は流されるままに渋沢さんと軽く打ち合わせをし、
ステージに上がらされた。
もうどうなっても知らん。
川 ゚ -゚)「♪ホラ 抱き合える喜びは過ぎ去りし
I never look back again
胸の中 腕の中 悲しみは 君と melt away♪」
無我夢中で歌った。
とりあえず今日さえしのげばどうにかなる。
ここで晒し者になるのも恩返しと思えば、耐えられない事でもない。
とりあえず数曲歌って、観客に深々と礼をした。
何故か盛大な拍手をもらえた。
素人の懸命さが評価されたのだろうか?
とりあえず窮地が切り抜けられたので、まあ良しとしよう。
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「クーちゃんやっぱりすごいじゃないの〜」
スタッフルーム脇の更衣室に戻って着替えていると、
シャトリナさんが元気そうに歩いてきた。
……喰えない人だ。
川 ゚ -゚)「まあ今日は何とか無事に切り抜けられましたが」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「明後日からもお願いね」
川;゚ -゚)「はあ?」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「渋沢さんもクーちゃんの歌が気に入ったそうよ」
川 ゚ -゚)「……」
//ヽヽ
彡 ゚ー゚)「もうクーちゃんは歌手に専念してもらうわ。
シフトの空きはあたし持ちでレッスン受けてね」
川 ゚ -゚)「はあ……」
何だかよくわからないままに歌手にさせられてしまった。
まあボイストレーニングだの何だのを無料で受けられて
さらにその時間も給料が出るとなれば、いい話なのだろう。
……その道を目指す人からすれば。
別に歌が嫌いなわけではないが、
歌手になりたかった訳でもない。
ただ、本気で目指してる人間に失礼な気もする。
そう言えば、もう一つ特筆すべきことがあった。
こうやってドクオと暮らしているうちに、
いつの間にかコーヒーが飲めるようになっていた。
続く 川 ゚ -゚) クーは異境の地で暮らすようですpart6



