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川 ゚ -゚) クーは異境の地で暮らすようです part3 (4)
川 ゚ -゚) クーは異境の地で暮らすようです
川 ゚ -゚) クーは異境の地で暮らすようですpart2



83 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:12:11.20 ID:yHTahav10


              ※


ドクオの案内で街を歩く。
屋台や出店であふれかえった大通りを抜けて、ちょっと格調の高い造りの店についた。


('A`)「紅茶はよく知らないんだけど、ここなら揃ってたはず」

川 ゚ -゚)「すまんな、手間をかけて。コーヒーの香りがどうも苦手で」

('A`)「気にしないで。俺も『本当の紅茶』に興味あるし」


中に入ると、高級な食器やティーセットがずらりと並んでいた。
角のコーナーにさまざまな種類の紅茶や中国茶などが揃っていた。


('A`)「本当は食器の店なんだけど、オーナーがお茶好きなんだ」

川 ゚ -゚)「なるほど」


確かに、専門店に劣らない品揃え。
好きでなければここまではしないだろう。

それにしても高い。




84 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:14:17.29 ID:yHTahav10
私の目が値札に釘付けになっていると、ドクオが私の肩を指でつついた。


('A`)「お金なら心配しないで」

川 ゚ -゚)「いや、そうもいかんだろう」

('A`)「それ欲しいんでしょ?遠慮はいらないから」

川 ゚ -゚)「しかし高いぞ」

('A`)「それ買えば『本当の紅茶』が飲めるんだよね?」

川 ゚ -゚)「まあそれはそうだが……」


ドクオは私の手から茶葉とセットをひったくって、
さっさと会計を済ませた。

店を出て先程の雑踏に潜りこむ。
先程の出費を取り返すように、ドクオは日用品を値切りまくっていた。



帰り道、ドクオは財布の中を三回も覗いた。
そのたびにこっそりため息をついていた。



86 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:16:14.80 ID:yHTahav10


              ※


翌朝、ドクオが仕事に出かけた。
もちろん、ちゃんとした紅茶と朝食を作ってやった。
彼は子供のように喜んでいた。

無用心だから、という理由でドクオはTVをつけっぱなしにしていったが
私にTVを見る習慣がないので退屈した。

ふと本棚を見ると、何やら日本語のマンガが並んでいた。
日に焼けて黄ばんだものと真新しいものが乱雑に詰めてある。


川 ゚ -゚)「マンガばっかりだな……」


とりあえず乱雑な並びをきちんと整理した。
当初の並び順や作者名などを考慮し、
それでも綺麗に見えるように何とか片付けた。

片付けたあと、つい食事もとらずに読みふけってしまった。




89 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:18:12.30 ID:yHTahav10
やがて陽が落ち、ドクオが帰ってきた。


('A`)「お、気に入った?それ」

川 ゚ -゚)「あまりマンガは読んだ事がなかったが、
     なかなか面白いものだな」

('A`)「職場の友達が日本のマンガが好きでさ。
    俺の本棚が第二書庫にされつつあるんだ」

川;゚ -゚)「ありがたいんだかひどいんだかわからんな」

('A`)「まあ微妙なとこだよね」

川 ゚ -゚)「とくにこれが気に入った」

('A`)「え、『寄生獣』が?」

川 ゚ -゚)「うむ」


”死んだ犬は犬じゃない、犬の形をしたゴミ”
感動的なフレーズではないが、何故か心に残った。

それにしても食欲のなくなる話だ……




96 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:23:53.40 ID:yHTahav10
('A`)「ねえクー、お腹すいてない?」

川 ゚ -゚)「昼食抜きだし、本当はすいてるはずなんだが……
     案外食べ始めれば食べられるかもしれんな」

('A`)「今日はちょっと外食しようと思うんだ」

川 ゚ -゚)「……」


昨日三回も財布を覗いていたのは誰だったかな……
本当に大丈夫なのか?

私がそれを口にすると、ドクオは胸を叩いた。
痩せ気味の彼がそれをやっても貫禄がない。


('A`)「おいしいもの食べたくない?」

川 ゚ -゚)「食べたくないといえば嘘になるが……」

('A`)「じゃあ行くよ。つか遠慮なんかしないで素直に返答してくれるとうれしい」

川 ゚ -゚)「わかった」


ドクオは私の手を取ろうとして、何故か握るのをやめた。

彼は目をそらし、無言で玄関に向かった。
私も無言でドクオの後をついて行く。



97 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:26:05.56 ID:yHTahav10


              ※


昨日の雑踏と違い、やや小奇麗な区画に出た。
聞けば、この先に高級住宅街かあるとのこと。

貧富の差が激しいこの島にしては珍しく、そこそこの街並み。
悪く言えばこの島らしからぬ、中途半端な風景。


歩いていると、ちょっと古めのビルに着いた。
ドクオがドアを開けると、階段が地下へと伸びている。


('A`)「ちょっと隠れ家っぽくて良くない?」

川 ゚ -゚)「まあな。この地下で食事を?」

('A`)「そうそう。来ればわかるから」


古びた、それでいて丁寧に手入れをされた手すりをつたって
私達は階段を降りていった。



101 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:28:10.38 ID:yHTahav10
降りた先はいかにも高級そうなレストランだった。
中に入ると、ウェイトレスが挨拶をしてきた。

(゚、゚トソン「いらっしゃいませ、ご予約は?」

('A`)「『シャトリナ姐さん』に昼間電話した者なんだけど。
    づーの所のドクオが来た、って伝えてもらえるかな?」

(゚、゚トソン「オーナーのお知り合いでいらっしゃいますか?
     ご案内いたしますので席に着いてお待ちください」


ウェイトレスに従って奥の席に進んでいく。
途中、ステージとグランドピアノを見つける。
椅子もテーブルも年代物だ。

私は小声でドクオに耳打ちした。


川 ゚ -゚)「なあ、大丈夫なのか?」

('A`)「ん?」

川 ゚ -゚)「こんな高級店で食事なんかして」

('A`)「ああ、その辺は大丈夫。それよりこのお店どうよ?」




102 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:30:07.01 ID:yHTahav10
小声で話すうちに、案内された席に着いた。


川 ゚ -゚)「どうって……財布が心配だ」

('A`)「そうじゃなくてさ、ふいんきとかその辺」

川 ゚ -゚)「いい店だと思うぞ、落ち着くし」

('A`)「気に入ってくれた?」

川 ゚ -゚)「まあな。金の事さえ考えなければ」


ドクオがふと私の後側に視線を向けた。


('A`)「お、来た来た」


ペイズリーの派手な柄を基調にしながらも落ち着いた感じにまとめた、
センスのある中年の女性がこちらにやってきた。
ここよりもっと南の、マレーシアかインドネシアあたりの顔立ち。

数々の派手なアクセサリーをつけながらも下品さが漂わないあたり、
ファッションに興味のある人間であれば学ぶ点も多かろう。



103 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:32:08.31 ID:yHTahav10
 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「あ〜らドックン、久しぶりじゃないの〜」

川 ゚ -゚)「……ドックン?」

(;'A`)「やめて下さいよシャトリナ姐さん。
    俺だってもうガキじゃないんすよ」
 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「あら、いくつになってもドックンはドックンじゃないのよ〜」

(#'A`)「じゃあ今度から俺も、シャトリナ”おばさん”って言いますよ」


ドクオが言い放つと、シャトリナさんとやらの表情が一変した。

 //ヽヽ 
彡#゚ー゚)「……で、何の用?ドクオ君」

('A`)「失礼しました姐さん。ちょいとお願いが……」
 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「お願いはいいけど先にその娘さんを紹介しなさいよ。
      やっと彼女出来たんでしょ?」

(*'A`)「いや彼女とかそういうんじゃなくて――」




105 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:34:14.02 ID:yHTahav10
何故か照れるドクオの顔を一瞥すると、
彼女は呆れ顔でドクオの発言をさえぎった。

 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「相変わらずドンパチ以外はパッとしない子なんだから。
      お嬢さん、あたしはここのオーナーでシャトリナと言います。
      ドクオ君の親戚みたいなもの。よろしくお願いね〜」

('A`)「え、親戚?」


あれ、家族には縁がないようなことを言ってたような……

 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「血は繋がってないけど似たようなもんでしょ?
      あんたはづー姐さんの養子みたいなもんなんだから」

川 ゚ -゚)「???」

づー姐さん?
何だか話が全く見えない。

('A`)「ちょっと姐さん、クーが混乱してるじゃんか」
 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「あら、クーさんっておっしゃるの?」


シャトリナさんがこちらに向かって微笑んだ。
今でも十分綺麗だと思うが、若い頃は相当のものだったんだろう。
しかし、話は相変わらずまったく見えない。



108 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:36:03.40 ID:yHTahav10
('A`)「ちょっと黙ってて。クーに説明するから」
 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「今頃説明?ほんとに段取り悪い子なんだから」


ドクオはシャトリナさんを無視して私に話しかけてきた。


('A`)「俺の母親がガキのころに失踪した件は話したよね?」

川 ゚ -゚)「ああ」


ウェイターが慌てて持って来た椅子に、シャトリナさんが腰掛けた。
出来が悪い我が子を慈しむような眼差しで、ドクオの方を見ている。

      
('A`)「ガキの俺を拾ってくれたのがづーって婆さんでさ。
    シャトリナ姐さんは婆さんの友達なんだ」


シャトリナさんが話に割り込んで来た。

 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「あたしが若い頃から、づー姐さんには本当にいろいろ世話になったのよ〜
      づー姐さんはあたしをね、まるで娘か姪みたいに可愛がってくれたの。
      その姐さんの……養子ってより養孫?ならあたしの甥みたいなもんでしょ?」

('A`)「まあ、そんな感じかもね」



111 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:38:08.46 ID:yHTahav10
 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「クーさんは見たことあるかしら?この子こう見えて強いのよ〜
      づー姐さんの最後の、最強の弟子だもんねドックンは」

川 ゚ -゚)「はい。実は彼に助けてもらいまして」

(#'A`)「……またドックン言ってますよ、シャトリナ”おばさん”」


ドクオが拗ねた。
やはり(キモ)かわいい。

 //ヽヽ 
彡#゚ー゚)「そうだったかしらドクオ君」

(#'A`)「……それでですね、ご相談なんですけど」
 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「そうそう、あんた本当にトロいわね。結局何の用なのよ?」


いや、ドクオのせいじゃないと思うが……
ほんの少しドクオに同情した。
でも、こんな身内がいるのをうらやましいとも思えた。




116 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:40:12.14 ID:yHTahav10
('A`)「この店、人手足りてますかね?」


なるほど、そういうことか。

 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「え?いきなり何よ」

('A`)「実は仕事探してるんですよ」
 //ヽヽ 
彡;゚ー゚)「……まさかあんた警察辞めちゃったの?」

川 ゚ -゚)「いえ、職を探してるのは私です」

('A`)「クーはこの島に来てまだ日が浅くてさ。
    信用できる職場って考えて、思いついたのがここなんだ」
 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「なるほどねえ〜。で、宿は?」

('A`)「今のところ俺と住んでるけど、そっちも探さないと」
 //ヽヽ 
彡*゚ー゚)「ふーん」


シャトリナさんが私とドクオを交互に見た。
上品な女性が、下品に顔をにやつかせた。




117 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:42:04.35 ID:yHTahav10
 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「……よろしい、三日ちょうだいな。四日後から働いてもらいます。
      店の二階の空き部屋も三日以内に整理しておくわ」

川 ゚ -゚)「ありがとうございます」

('A`)「さすが姐さん、助かったよ」
 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「じゃあ、あたしの椅子も来ちゃったことだし三人で食べましょ。
      今日はあたしの奢りだから、遠慮しないで高いお酒でもいいわよ」

川 ゚ -゚)「色々とすみません」
 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「だ〜か〜ら〜!今日はまだあなた達はあたしの客。
      ……四日後からは厳しいわよ。覚悟は出来てる?」

川 ゚ -゚)「はい、よろしくお願いします」
 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「は〜い、大変いい返事。じゃあガンガン飲みましょ〜」

('A`)「姐さん、悪いね」
 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「何遠慮してるのよ、可愛くないわね」

シャトリナさんが微笑むと、頼んでもないのに前菜と食前酒がやってきた。
フレンチをベースに、どことなくエスニックなメニューが並ぶ。
強いはずの刺激をフレンチの技法が優しく包んだ、初めて食べる味。




122 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:45:09.05 ID:yHTahav10
こちらが質問をする前に、シャトリナさんが話しかけてきた。

 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「もともとはちゃんとしたフレンチのお店だったの。
      でもこっちの方が人気が出ちゃったのよ〜
      実はあたしがインドネシア、シェフがタイ出身でね」

川 ゚ -゚)「ほほう」
 //ヽヽ 
彡*゚ー゚)「うちはけっこうお金持ちのお客様が多くてね。
      本格フレンチはよその国でも食べられるけど、
      この味はうちでしか味わえないって」

川 ゚ -゚)「そういうものかもしれませんね」
 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「だから一応、二種類メニューがあるのよ〜
      それぞれに合うワインが全然違うのが悩みどころなんだけど。
      覚えておいてね、クーちゃん」


いきなり「ちゃん」付けされてもまったく腹が立たない。
やはり人徳なのだろう。


川 ゚ -゚)「わかりました」




123 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:47:13.35 ID:yHTahav10

私達の会話をよそに、ドクオはあっという間に食前酒を飲み干した。
勝手にワインを注文し、また飲み干す。


(*'A`)「いや〜、美味い酒っすね姐さん」
 //ヽヽ 
彡 ゚ー゚)「……」

川 ゚ -゚)「……」

(*'A`)「え、とりあえず今日は飲むんでしょ?」


すでに出来上がっている様子。
とりたてて酒に強いわけではないらしい。

 //ヽヽ 
彡#゚ー゚)「そんなんだからモテないのよあんたは」

(;'A`)「すみません」


そうなのか?
かわいいと思うんだがな。
……まあ、「キモ」が前に付くのは否定できないが。



予想通り、ドクオはあっさりと潰れた。



125 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:49:14.33 ID:yHTahav10


              ※


酔い覚ましもかねて、二人で歩いて帰った。
泥酔したドクオに肩を貸し、とぼとぼと夜道を歩く。


川沿いの道を通りがかったとき、心地よい風が頬を通り抜けた。
やがて橋に差し掛かったとき、人影が見えた。

人影の手に銀色の光がきらめく。

……すっかり忘れていた。
夜道を歩くには物騒すぎる島。



ふと、肩が軽くなった。

泥酔していたはずのドクオがすっと立った。
私をかばうように進み、人影と向き合う。


('A`)「すぐ終わるからちょっと下がってて」




130 名前:VIPがお送りします。 :2007/06/28(木) 21:51:05.71 ID:yHTahav10
私が後ろに退いたのを確認すると、ドクオの表情が一変した。
昨日見た、獣の目になった。
彼は人影と向き合い、じりじりと距離を縮めていく。

ドクオは人影に向かって駆け出す。
相手の持った凶刃を蹴り上げた。


刃は一度宙に舞うと、地面に落ちて高い音を響かせた。


はっとしてドクオの方に視線を移すと、そこにはドクオ一人しかいなかった。
どうやったのか見落としたが、人影は川に落ちてもがいている。


('A`)「ね?だから夜道は一人で歩いちゃダメなんだよ」






言い終えるとドクオは元の酔っ払いに戻った。






続く 川 ゚ -゚) クーは異境の地で暮らすようですpart4
VIP | 2007-07-09(Mon) 16:59:59 Trackback:(0) | コメント:(4)
コメント

ドクオかっこよす
【07-09(Mon) 19:24】 | URL | こめんたー774さん #- [No:23794] [ 編集]

ドクオなのにかっこいい!
【07-09(Mon) 22:25】 | URL |   #- [No:23798] [ 編集]

適当に読んだからよくわからん
だれか教えて
【07-09(Mon) 23:19】 | URL | ばか #- [No:23801] [ 編集]

>>No:23801
よく読めばいいじゃない
【07-09(Mon) 23:40】 | URL |   #- [No:23802] [ 編集]
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